チワワエンシス

和名英名
ベンケイソウ科Crassulaceae
エケベリア属Echeveria
チワワエンシスchihuahuaensis

チワワエンシスのデータベース

 チワワエンシスは、エケベリアの中でも1、2位を争うほど人気の原種。大きな特徴は幅広で厚みのある葉と、しっかりとした爪。紅葉シーズンには爪とその周辺の広い範囲が濃い赤色に色づいた可愛らしい姿を見せてくれます。育てやすく増やしやすいという特徴も兼ね備えたチワワエンシス。日本の環境にもよく適応して、たくさん花芽をつけてくれるためか、交配親としても非常に人気が高いエケベリアです。
 エケベリアを代表するようなそのフォルムで多くの多肉愛好家にとってなじみ深いものとなっているチワワエンシスですが、実はいくつかのタイプがあります。「(単に)チワワエンシス」、「ジェコラ」、「旧タイプ」、「ルビーブラッシュ」、「スペシャルレッド」、、、と様々な名前が付加され、それぞれの特徴は示されるものの、まとまった写真記録が少なく、さらに近年では桃太郎などの交配種との混同も指摘されているため、全容を把握し辛くなっている印象があります。
TOMOZOOではなるべくたくさんの”チワワエンシス”を育成して、その特徴を整理していこうと考えています。
 今回ご紹介するチワワエンシス2号は、TOMOZOOでは比較的長いこと育成を続けている一株。あの有名な100円ショップで購入した一株です。『チワワエンシス図鑑』作成の第一歩としてこの株の記録をご紹介します。

フォルム

タイプ
つるっと系
粉系
ハード系
ソフト系
グリーン系
ブルー・ホワイト系
レッド系
紅葉
控えめ
しっかり

育成ポイント

成長速度
おそい
はやい
徒長
しにくい
しやすい
暑さに、、、
弱い
強い
寒さに、、、
弱い
強い
花芽は、、、
出やすい
出にくい

増やしやすさ

葉挿し
難しい
簡単
胴切り
難しい
簡単
仔吹き
しやすい
しにくい

※「仔株」の項目は、胴切りや頂芽潰しをしない状態(自然状態)での仔株の出やすさを表しています。

TOMOZOOチワワエンシス2号の育成記録

TOMOZOOにチワワエンシス(2号)がやってきたのは、2021年の5月。
短くてコロッとした葉っぱが特徴のこのチワワエンシス。
入荷仕立てだったからなのか、比較的良い状態で購入することができた一株です。

2021.5.24

爪先は色濃く、若干のファセットラインも入っています。
購入後の植え替えをしたばかりで、この段階ではあまり動きがありません。

2021.5.31

写真で記録をしないまま成長期を過ぎてしまいましたが、発根が進まなかったためかあまり大きな変化はありません。

2021.7.5

夏の暑さでかなり下葉を枯らしてしまいましたが、葉っぱの厚みは健在。むしろ少し葉っぱに厚みが出てきたかもしれません。
夏の間、葉っぱが伸びてしまう株も多い中、割と形を保ったまま秋を迎えられそうでほっと一息。

2021.9.28

上から見ると、葉っぱにはしっかりとした厚みがあります。
「旧タイプ」などと言われる従来からあるチワワエンシスと比べると葉っぱ一枚一枚の巻きこみは少なく、葉先は角度きつめの”なで肩”フォーム。

2021.10.2

秋の成長期を経て冬。
夏に小さくなった分もしっかりと回復しています。根っこが張ってきた証拠でしょうか。
気づけばすっかり紅葉シーズン。爪先から濃く色づいてきました。

2021.12.19

紅葉は爪先だけではなく、その周りにじわじわと広がっていきます。
葉が短いため、株全体がペタッと平べったく収まり、軟葉系のハオルチアのようにひっそりとした佇まい。

2022.1.24

一つ前の写真から一か月。休眠期に入っているのか、姿はほとんど変わりません。
長いこと紅葉を楽しむことができるのも、この株の良さかもしれません。

2022.2.14

こちらは保険株用にと取った葉挿し苗。
小さい株の方が爪の密度が高い分、色付が良い印象があります。
こちらも親株と同じ、厚みがあってコロッとした形の葉っぱが出てきていますね。

2022.3.28

植え替えで採った葉挿しもほぼ100%の成功率。
チワワエンシスはとにかく増やしやすい!

2022.4.16

さて、一気に時間が経過して、夏の様子です。購入当初の姿から大分変化しています。
葉っぱは随分と長く、そして薄くなりました。同じ株とは思えない変容ぶり。
これだけ変わってしまうんだから、じっくりと育てて特徴を見極めるのって大事ですね。

2022.7.9

夏も終わり、9月になりました。
一年前の9月とは別物に見えるチワワエンシス2号。
”長葉ザラゴーサ”のような細長い新葉が続々出てきました。
環境によってこんなにも変わってしまうから、特徴が見極めづらいんですね。

2022.9.23

秋の成長期。葉の形復活を祈って植え替え。

2022.10.21

葉数がやたら多くなりました。一枚一枚は小さく、紅葉の色は浅めです。
元気そうではあるのですが、なかなかこの株のポテンシャルを引き出してあげられませんね。

2022.12.24

夏越し直後に比べると、葉幅はだいぶ戻ってきました。それでも厚みは復活せず。

2023.1.12

変化の小さい冬。
緑が少しずつ抜けて白に近い葉。そしてくっきりとした爪。

2023.2.18

3月。春らしい気候の日も増えてくるこの季節に、なんと花芽が顔を出しました!
よく混同される桃太郎とは、花で見分けられると聞きます。
この株が桃太郎でないか、桃太郎か、、、分かるかもしれません。分かってしまうかもしれません。

2023.3.18

一気に時間が過ぎましたが、再びの夏。
残念ながら春に出てきた花芽は伸びてくる前に枯れてしまいました。原因はよくわかりませんが、初めて出てきた花芽に期待をかけすぎてしまったのかもしれません。植物もプレッシャーを感じるんですね。
株の状態はといいますと、、、大分爆発しました。。ガンガン葉数を増やし、生長した葉はプレステラ90からはみ出しています。一年前のように、細かい葉が大量発生する事態は回避できそうですが、相変わらず薄くて細長い葉。
根が詰まってくると葉の長さも詰まってくるという話を聞いたことがりますが、この株はどうなるかな。
購入当初のコロッとした葉っぱを復活させるのを目標に、見守っていきたいと思います!

2023.7.18
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