
ラウイ
和名 | 英名 |
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ベンケイソウ科 | Crassulaceae |
エケベリア属 | Echeveria |
ラウイ | laui |
ラウイのデータベース
ラウイの特徴は何といってもパウダー!爪のないふっくらとした丸い葉にしっかりと粉を纏う姿はエケベリアの中でもかなり特徴的で、我が道を行くスタイル。この強い特徴は交配をしても受け継がれることが多く、ラウイを親としたぷっくり厚化粧な交配種がたくさん世に送り出されています。
その性格もやや異質で、冬の寒さには弱い傾向にあります。白いはずのラウイが、赤くなって冬の寒さに耐えている姿、きっと必死で耐えているのだと思いますが、それが何とも言えない美しさです。冬に弱い分、夏は得意。他のエケベリアたちが暑さでやられていく中で、涼しい顔して夏越しするのがラウイです。この辺りは、同じ粉仲間のカンテの特徴と似ているかもしれません。成長は遅いですが、大きくなる品種なので、ゆっくりじっくり育て上げて、見せびらかす楽しみもありますね。
ちなみに、表皮の白い物質については、”パウダー”、”粉”、”化粧”、いろいろな呼び方がされていますが、”ブルーム”というのが一応正しいのかな、と思います。ブルームは植物が表皮に分泌する蝋状の物質で、病気や乾燥から身を守るためのものなんだそうです。
フォルム
育成ポイント
増やしやすさ
※「仔株」の項目は、胴切りや頂芽潰しをしない状態(自然状態)での仔株の出やすさを表しています。
TOMOZOOラウイ(1号)の育成記録
ラウイ1号は、種子から育てた実生苗。2022年にこの姿ということは、おそらくTOMOZOO実生の一期生(2020年播種)だと思います。冬の寒さから復活する前の3月。葉っぱがじんわりと赤くなっているのがよくわかります。

“暖かさ”から”暑さ”に変わっていく成長期。中心付近からは白い葉が少しずつ出てきているのが分かります。

6月、赤みが残っていた葉は一転、内側から青みが出てきました。葉っぱ一枚一枚も、ふっくらとしてきた感じがします。こっからがラウイの見せ場ですね。

粉がさらに熱くなっていきます。葉が伸びてくるのも夏場の特徴かな?ベランダ育成で少し日照不足なのもあるかもしれません。

夏場もゆっくりと生長していたラウイ1号。気が付けばすっかり鉢を覆う大きさに。こうしてみると、爪が全くない葉と、ちょこんとした爪が分かる葉と、2種類が混在していますね。どうやら新しい葉は爪が比較的しっかりとしているようです。葉が成長して太ってくると、爪が目立たなくなって、”丸葉”と呼ばれるようになるんですね。

大きくしたいと思い、一回り大きな鉢に植え替えた1号。やや徒長気味。

やはり秋は成長期。新しい葉が次々と展開してきます。夏場に比べるとずいぶんとふっくらとした新葉が出てきますね。

冬の寒さが厳しくなるにつれ、ラウイの赤みも増していきます。全身が紫色に変化してきたラウイ。夏場に伸びた葉と、秋以降に展開した新葉との境界がしっかりとわかりますね。

年を越して1月。寒さはより厳しくなります。紫色だったラウイも、より赤みが強くなってピンク色。

寒さも和らぐ4月。成長のスイッチが入ったのか、新葉続々。

6月、勢い良く新葉が展開しています。勢いがよすぎて葉が鋭くなってる!一年前よりも成長に勢いがあります。株が成熟してきたということかな。

真夏の暑さの中でも、割と涼しい顔のラウイ。他のエケベリアたちには被害続々なんですが。

夏場のダメージが少なかった分、秋の成長は早くから始まります。ベランダ育成だからやっぱり傾いちゃうな。

秋の植え替え。かなり飛び級して、どんぶり鉢に植え替えました。これだけ口が広ければ、葉っぱに触らずに移動することができるかな。

葉っぱ一枚一枚が太ってきたためか、ラウイらしいふっくらとした姿になってきました。鉢を大きくするだけでずいぶん貫禄が出てきますね。

屋内LED管理に切り替えたラウイ。屋外育成していたころの冬に比べるといくらか穏やかな表情。それでもすっかり冬の姿になりました。よく見ると花芽が!中心からふっくらとした花芽が、成長点を押しのけて出てきます。寒さに弱いはずのラウイなのに、この時期に出てくるんですよね。

太い花茎が花芽を持ち上げて成長していきます。かなり大きな花芽になりそう。

太く短い花茎の先に、ぎっしりと花が付きます。本体の半分ほどのボリュームがあります。花を育てるために、本体はずいぶん小さくなりました。

花にも萼にもしっかりと粉をつけた、まさにラウイの花。雄しべには花粉がたっぷりと付きます。交配親としても優秀なようです。

順調そうに見えていたラウイ1号でしたが、その日は突然にやってきました。少し様子がおかしかったので触ってみるとバラバラと。カットしたら茎は真っ赤。一部が真っ黒になっていました。まさかこんな形で終わるとは。。ようやく花芽をつける成苗に育ってくれたのに、本当に残念でなりません。調子に乗って交配をさせすぎたTOMOZOOのせいです。ごめんねーラウイ1号。。残してくれた花粉で遺伝子をつないでいきたいと思います。
