『植物の時間』も3時限目となりました!

1時限目は、園芸に用いる基本的な用土について学んできました。

 2時限目は、植物が必要とする栄養(多量要素と言われる物質)に注目して勉強してきました。

それでは3時限目、肥料について学んでいきましょう!!

と行きたいところなのですがその前に、、、まずは、2時限目で学んだ栄養分を植物がどうやって吸収するのかを勉強しましょう!

植物はその栄養分の多くを根から吸収しています。
もちろん、葉からも酸素や二酸化炭素などを取り込んではいますが、土から受け取る栄養分は、よりバラエティに富んでいて、肥料の勉強には欠かせません。
というわけで、ここでは植物に栄養を与える土について少し詳しく見ていき、さらに植物の根が土から栄養を吸収するメカニズムを学んでいきたいと思います。

1.土って何者??

キーワード:「腐植」「鉱物」「粘土」「保肥力」「CEC」「陽イオン交換」

●「土」の中の様々な構成要素

土壌には様々な構成要素がありますが、大きく分けると、生物鉱物腐植の3つが含まれていて、その正体は以下のようなもの。

生物

土壌中に生息する哺乳類や微生物までのあらゆる生き物。

腐植

生物の遺体が長い年月をかけて変化した高分子化合物。(腐植については別の機会に勉強していく予定です)

鉱物

母岩となる岩石が砕かれた、砂やシルト(一次鉱物)と、さらに細かく砕かれて化学変化を起こし、結晶化したもの(二次鉱物/粘土鉱物)。

●栄養を保持するのは「粘土」

土の構成要素の紹介で最後に現れた粘土鉱物。
この粘土鉱物は、栄養となる物質を吸着して保持する力を持っています。
粘土鉱物の結晶は、その構造上マイナスの電荷を帯びます。
一方で栄養分となる物質はプラスの電荷を帯びていますので、これらが引き合って結果的に栄養となる物質が土に吸着されます。
粘土結晶の型にもいくつかの種類があり、その吸着力はそれぞれですが、この力を利用して粘土に栄養分を保持してもらうわけです。

ちなみにこの、養分吸着の容量を示すのが「陽イオン交換容量(CEC)」というもので、どれくらいの量の陽イオンを吸着し得るかを示し、「保肥力」を判断する指標のひとつといえます。
そして植物の根は、土に吸着された栄養分を吸収していきます。
※土壌中で養分を吸着するのは、粘土だけではなく、その他にも養分を吸着してくれる要素(腐植)があるのですが、それについてはまた別の機会に勉強したいと思います。

2.土から根へ、栄養分の受け渡し

キーワード:「根酸」「水溶性」「ク溶性」「陽イオン交換」

植物は根の先から根酸という酸を放出します。
クエン酸などの有機酸です。
この有機酸のカルボキシ基(COOH)からプロトン(H)が遊離して、土壌中に吸着されている栄養分(プラスイオン)と交換されます(陽イオン交換)。
結果、土壌から離れた(溶け出した)栄養分を植物が吸収するという仕組みになっています。

よく肥料で表示されている「ク溶性」は、クエン酸の
クエン酸を含む根酸で養分が溶け出す肥料ということです。
植物が成長に合わせて能動的に栄養分を吸着することができる、緩効性肥料がこれにあたります。

一方で「水溶性」と表示される肥料は水によって養分が溶け出しますから、その中に含まれる栄養分をすぐに供給できる形にすることができる、即効性肥料ということになります。

3.まとめ

ここまでで、栄養分を吸着する土と、その土から植物が栄養を受け取るメカニズムについて少しわかっていただけたでしょうか。

次回はいよいよ、肥料について学んでいきます!!

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