白蓮
和名 | 英名 |
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ベンケイソウ科 | Crassulaceae |
エケベリア属 | Echeveria |
白蓮 | byakuren |
白蓮のデータベース
白蓮は、ラウイとカンテの交配種。両親とも粉系のエケベリアですから、分厚い粉に覆われた真っ白いエケベリアであることはすぐに想像がつくと思います。カンテのように薄くて平たい大きな葉を展開しますが、一枚一枚をよく見るとエッジに丸みがあり、キリっと美しいカンテに比べて優しげな雰囲気があります。
”白蓮”という名前の通り、この品種の持つ一番の特徴は紅葉シーズンの息をのむ美しさ。1月から2月ごろ、寒さの厳しいベランダで、全体がうっすらと紅藤色に染まったこの株を見て、うっとりとしてしまうのは人類皆共通。写真を、そして実物を是非一度見てください!
フォルム
育成ポイント
増やしやすさ
※「仔株」の項目は、胴切りや頂芽潰しをしない状態(自然状態)での仔株の出やすさを表しています。
TOMOZOO白蓮の育成記録
いきなり衝撃的な写真になってしまいました。
購入から約2か月ほどの様子。
この年はうどん粉病が襲来し、薬剤散布による粉はげであられもない姿になってしまった白蓮。
うどん粉病はついにこの白蓮にも感染し、あちこちにその症状が出ています。
薬を散布して治りかけの部分はかさぶた状に固まってそれはそれで痛々しい。。
ちなみに、、、TOMOZOOではうどん粉病を発見したらまず、ベニカXネクストスプレーを散布します。一度吹き付けて一時的に勢いが弱まっても、うどん粉病はしぶといので復活してきます。一度で安心せず、発見し次第同じことを繰り替えしてうどん粉病の活動が弱まる夏本番ころまで継続します。粉がはげたり、かさぶたができたり、株の外観は悪くなりますが、とにかく次の成長期まで生き延びてもらうことが大事。成長期が来れば新葉が展開して株もきれいになっていきます。
夏本番まで、うどん粉病と格闘した白蓮。
かさぶたをたくさん作りながらも、枯れずに生きながらえてくれました。
株も一回り大きくなっています。
患いながらも生長していたんですね。その生命力には頭が下がります。
夏も終盤に差し掛かった9月の末ごろです。
カンテの交配種ということもあって、夏場には比較的強いのか、難なく夏をやり過ごしてくれたようです。
下葉の方はうどん粉病の痕跡が残っていますが、生長点付近から新葉が続々と出てきて、この先の生長がたのしみです。
葉幅が出てきました。
過去の傷跡を覆うように、上から上から新たな葉っぱが!!これはもう、完全復活ですね。
深まる冬。全体が、淡い藤色に染まってきました。
藤色から、少し赤みが増してきました。
この色、なんと表現したらいいのか調べてみたんですが、”紅藤色”というのがしっくりきました。「紅藤白蓮」です。
よく見ると、この紅葉も全体にべったりというわけではないようで、葉淵の方から進んでいくみたいです。
人も、寒い季節になると末端の方から赤くなってきますが(TOMOZOOだけかな)。末端は薄くなっている分、環境の影響を受けやすいんでしょうかね。
TOMOZOOに来てからから1年と少し。
一時はうどん粉病にも襲われた白蓮ですが、見事に復活を遂げた後はその美しさで訪れる者(TOMZOOのみですが)を魅了し、次の成長期へ踏み出しました。
葉を目いっぱい広げて光合成をしています。
奥にあるのはカンテ。
さすが親戚同士ということもあって、挙動がよく似ていますね。
こうしてみると、カンテの方が紅が抜けるのが早いのかな。
カンテの親戚は、梅雨から夏にかけて葉を大きく広げて伸びていくものが多く、白蓮も奥にいるおじさんとよく似て、下葉がこれでもかという許に伸びきっています。うどん粉病に襲われることもなく、順調に夏を迎えるとここまでダイナミックな姿になるんですね。
夏に下葉が伸びきった後、秋に向けて始まるのが新葉の展開です。
生長点付近に小さな新葉が続々表れてきました。
成長期で水を飲みすぎたのか、少しスカート履いちゃったかな、と思う10月。
夏を無事に乗り切った多肉たちに、「お疲れさま」と声をかけたくなりますね。
そして始まる紅藤色の季節。
紅葉のピーク。大きく生長してからのこの紅葉。圧巻です。
冬の朝、空が明るくなりきらない時間に目に入るのがこの姿です。
下葉も徐々に更新されて、形も整ってきました。
十分に大きく生長した白蓮。
成長優先のスリット鉢から、見栄えのする平鉢へ植え替えました。
植え替えて間もなく顔を出したのが花芽です。
白蓮の花芽がでてくるのは初めてです。
白蓮本体も大きいのですが、そこから出てくる花芽もインパクトがありますね。
ぐんぐんと生長する大きな花芽。茎が極太です。
そして、花芽まで気品高い!!
ぷっくりと太った花芽がパックリと割れて、開花が始まりました。
白蓮の花の特徴をまとめると、花茎の太さはカンテ似、花の付き方、萼片の形、開花の時期はラウイ似、そして花の形は両親の中間くらいです。
すべての花が咲くのを見てみたいのですが、その気持ちを抑えて、交配に使うもの以外はカットしました。カットした花芽だけでもアクセサリーになりそうです。
大きな花芽をつけてくれたので、きっと交配親としても優秀なはず。
そう思って、たくさんの花粉をつけてみました。
うまく種子ができていますように。いや、まず、夏越しですね。