こんにちは、TOMOZOOです!
みなさん突然ですが、『土のpH』ってご存じですか?
よく、「鹿沼土は弱酸性」「ピートモスは強酸性」「くん炭はアルカリ性」なんて言われますが、たとえば鹿沼土はどれくらい酸性なのでしょうか?
赤玉土やひゅうが土はどれくらいのpHなのでしょうか?
情報が複数存在したり、調べるまでもないから逆に情報がなかったり、そんな風に感じませんか?
そこでTOMOZOOでは、市販の用土のpHを網羅的に調べてデータ化したいと考えました。
1.実験方法
測定の対象
今回測定の対象とする用土は、以下のものを準備しました。
- 赤玉土
- 鹿沼土
- ひゅうが土
- もみがらくん炭
- ピートモス
- 黒曜石パーライト
- 腐葉土
- 水苔
- バーミキュライト
- ゼオライト
- TOMOZOOの土
試験液の採取
土の実験レポートvol.1 で、用土密度を求めていますので、それを使って40㎖分の用土を量り取ります。
次に、水100ml(用土1に対して2.5)を加えて攪拌します。
ろ過して、液体と固体(土)を分離します。
測定
研究機関での調査方法については詳しく知りませんが、素人ができる調査の方法は主に3種類あります。
- 市販の簡易pH測定器使用する
- pH試験紙を使用する
- 市販の試薬を使用する
TOMOZOOはこれらのうち、2つ目(A)と3つ目(B)の方法で調べようと思います。
測定A:pH試験紙を使用する
pH試験紙には、ネットで販売されているものを使用します。
用土1に対し、水2.5(体積比)で混ぜ合わせてろ過し、ろ液に試験紙を約1秒間浸けて、色の変化を見ます。
様々な製品がありますが、今回は下の写真のようなものを使用します。
スティックの先端に付けられた2片の正方形試験紙の変色を見てpHを判定します。
pHが高い側、低い側それぞれを別々に図ることができる試験紙ですので、より細かな判定ができると思い、こちらを選定しました。
測定B:市販の試薬を使用する
理科の実験等で行った、液体を使用するタイプの測定方法です。
採取した液体に一定量の測定液を滴下し、液体の変色の状態を見てpHを判定します。
2.実験の結果
採取した液体に、
A 試験紙に浸ける
B 測定液を滴下する
2つの方法でpHを測定していきます。
測定対象とした用土は10種類ですが、粒径で分けているものもあります。
※ここでは一種類として扱います。
結果が出るまで何度か試験をし、
方法A(試験紙)で3回
方法B(測定液)で1回
分の結果が出ました。
何例かピックアップしてご紹介します。
鹿沼土
この結果を見ると、pHは6.0~6.5の間くらいでしょうか。
思ったよりも高めなんですね。
赤玉土
赤玉土ですが、こちらもpH6.0前後でしょうか。
鹿沼土とほとんど変わりありません。
もみがらくん炭
試験紙でははっきりと高い値が出ています。
pH8.5~9.0くらいでしょうか。
測定液の方は、濁りが強くて判定不可ですね。
もみがらくん炭や腐葉土は、液体のにごりが強く、測定液による判定はできませんでした。
今回は試験紙のみでの判定としました。
黒曜石パーライト
パーライトはアルカリ性と言われますので、pHはやはり高めですね。
この結果だとpH6.5~7.0くらいでしょうか。
ただ、パーライトのpHはもっと高い値が示されていることも多く、製品による差があるのかなど、今後見ていく必要があると思います。
ちなみに、このpHが少し酸性に寄っているのではないかと考え、一応追実験を行っていますが、読み取れる数値は同じでした。
ピートモス
ピートモスは、試験紙ですとpH5.5~6.0くらいに見えます。
一方測定液では5.0~5.5くらいでしょうか。
判定に幅がありますが、強い酸性にはやはり注意が必要かもしれません。
水苔
水苔は、封を開けたとき酸っぱい臭いがします。
pHは試験紙でははっきりとは出ませんでしたが、測定液を使用するとpH5.5程度の弱酸性くらいかと思います。
3.実験のまとめ
以上のように、各用土のpHを測定した結果が、下の表のようになります。
試験紙ではうまく判定ができなかったものもあり、測定値の幅が大きくなっていますが、今後精度を上げていくとして、今回分かったのは、
・鹿沼土も含めてほとんどの用土はpH6.0~7.0の弱酸性~中性であるということ
・鹿沼土も酸性に傾くかと思いきやほぼ中性
植物に影響が出るようなpHを示す資材はほとんどないのかもしれません。
本日の実験はここまで!また次の実験でお会いしましょう!笑