こんにちは、TOMOZOOです!
TOMOZOOはエケベリアを育てて2年目(2020.3時点)、生長、休眠、、、とずっと様子を見守ってきました。

「エケベリアは春秋型の多肉植物で、春と秋に成長し、夏と冬は休眠します。」
とよく言われているんですが、

「夏も伸びてる」し、「秋は言われているほどに伸びない」し、なんて思う方もいるんじゃないでしょうか。

TOMOZOOもなんとなくそんな風に思ってきました。

そこでTOMOZOOはエケベリアをじっくりと観察してみることにしました!!

目次

1.観察方法

「じっくり観察」とはいえ、ものさしで大きさを測ったり、スケッチをしたりするのはちょっと大変。。
ということで今回は、「じっくり」でなおかつ「手っ取り早く」観察ができる、定点撮影を行うことにしました!

撮影治具

定点撮影を行うための治具はこちら

30㎜×40㎜の角材を使って作った自作定点撮影スタンド!!
ちなみに折りたたみできる仕様です。。

下の図のようにエケベリアをセットして撮影していきます。

観察対象

観察の対象とするのは、

エケベリアプレリンゼ(Echeveria “Prelinze”)

プレリンゼは、花うらら(Echeveria.pulidonis)とリンゼアナ(Echeveria.’Lindsayana’)の交配種で、ショップでもよく見かけるとてもポピュラーな品種です。

普及種で丈夫、入手も用意、見ていてもきれい!と、三拍子そろって観察するのにはもってこい!!

今回はこのエケベリアプレリンゼを次の状態で植え付けました。

  • 鉢は2号素焼き鉢
  • 抜き苗の状態で購入したものを使用
  • 植え替えに使用する土はTOMOZOOの土
  • 肥料は使用しない

個体による違いもあるかもしれないので、同じ条件のものを2株用意し撮影していきます。
※TOMOZOOの土についてはこちらを参照ください↓↓↓

撮影期間と育成場所

撮影期間は、2020年3月20日から約1年間。
3日から4日(さらに時間が空くこともあり)に一度の頻度で撮影を行います。
プレリンゼの育成場所は、東京都内のとある集合住宅ベランダ、主に多肉棚の一番上。

2.撮影準備

早速、撮影の準備のためにプレリンゼを植え付けていきます。
実験開始時の苗はこのような大きさ

これを素焼き鉢に植え付けて準備完了!!

それでは観察開始!!

3.観察の経過

3月20日に撮影開始後、完全に土が乾いたら給水をしつつ観察していきます。
夏前までは、底面給水で約1週間に1回程度の給水を行い、夏は1ヶ月に一回程度、水差しで少量の水を与えました。

苗が徒長しないよう、棚の一番上の日当たりのよい場所に置きました。
ベランダですので、屋根がついています。

定点撮影したものをつなぎ合わせた動画をご覧ください。
まずは一株目、どうぞ!

つづいて、二株目、どうぞ!!

いかがでしたでしょうか?
次の項で少し詳しく見ていきます。

4.観察内容の分析1-動き方の種類-

先ほどの定点撮影の結果から、次のような成長のパターンを見出すことができました。
この表の内容について、次に詳しく見ていきたいと思います。

①成長(A)ガンガン成長

3月から6月半ばまではガンガン成長していきます。
葉っぱもふっくらと成長して、株が充実していくような成長です。

2020/3/20~2020/6/15

②成長(B)のびのび成長

6月半ばから10月半ばまでは、葉っぱが伸びてひょろっと長くなります。
株自体は大きくなっているようですが、ロゼットが崩れて表面の質感も変化。
あまり良好な成長とは言えなさそうです。

2020/6/15~2020/10/15

③成長(C)回復

10月半ばから11月と、2月は、同様の成長をしています。
この時期は、新しくふっくらとして粉をまとった葉っぱが出てきて、夏に崩れてしまったロゼットが少しずつ回復してきます。
良好な成長をしていると言えそうです。

2020/10/18~2020/11.29
2021/2/1~2021/2/28

④休眠

12月と1月は一年で最も動きの少ない期間です。
一見、2月と同様の動きをしているようですが、こちらは2ヶ月分の変化を一気に飛ばしていますから、リアルタイムにすると全く動かない、休眠した状態と言えます。

2020/12/2~2021/1/29

5.観察内容の分析2-動き方と気温-

動き方が分かってきたところで、今度は少し一般化できるように、気温との関係をよく見てみたいと思い、観察した期間の東京の日平均気温を隣に貼り付けた動画をつくりました。

(気温のデータは気象庁のホームページから引用しています)
(気温のデータは気象庁のホームページから引用しています)

プレリンゼは、気温が高くなると葉っぱが長く伸びはじめ(のびのび成長)、
逆に低くなると、動きをストップさせる(休眠)ようです。
そして、それ以外の気温(ちょうどよい気温)の時期に良好な成長(ガンガン成長)・回復をすることがわかります。
そのおよその気温を見てみると、

このようになります。

ガンガン成長するのが10℃~25℃の時期、25℃以上になると、のびのび成長をしはじめ、少し気温が下がって10℃~15℃になると回復、そして10℃を下回るようになると、休眠。

といった具合です。
(厳密には、のびのび成長する時期でも涼しい日には20℃を下回ったりするので、およその気温を入れてみました)

6.観察内容の分析3-原産地の気温-

東京で育成しているエケベリアの動き方は見えてきた感じがします。
そこで今度は、エケベリアの原産地の気温についても調べてみました。

”原産地”といっても、プレリンゼは交配種ですので原産地はありませんから、その最も近い原種である、

花うらら/プリドニス(E.pulidonis)

リンゼアナ(E.lindsayana)
の原産地付近の気温を調べてみることにしました。

まずはプリドニス
プリドニスの原産地はメキシコ合衆国の中南部、ベラクルス州、イダルゴ州、プエブラ州と言われています。

上の地図に赤点で示した5つの都市の気温データを確認することができたので、東京の気温と重ね合わせてみると、
(少し分かりやすくするために、東京の気温は日平均気温ではなく、上・中・下旬のそれぞれの平均気温で示しています。また、原産地の気温の基本的な傾向を青い帯で表示しました)

つづいてリンゼアナ
リンゼアナはプリドニスと同様、中南部(西側)のハリスコ州で見出された品種と言われています。

赤点で示した都市の気温と東京の気温を重ねてみると、

このようになります。

メキシコは、日本よりも南に位置するとはいえ、エケベリアの原産地は内陸の比較的標高が高い地域ですから、東京に比べて随分と涼しい地域であることが分かります。
そんな原産地周辺の気温と東京の気温は年に2回ほど重なる箇所があり、気温が重なってくる時期に東京でも比較的良好な成長をすると考えてよさそうですね!

ちなみに東京で休眠するときの気温はおよそ青い点線のラインになるので、原産地では休眠期はないのか??なんて考えたりしますが、答えはメキシコに行かないと分からないでしょうね。。。

ではこれを応用して、日本各地の気温を重ねてみると、

青の点線は”東京での休眠ライン”としていますが、これは単に”休眠ライン”と読み替えてもよさそうですから、札幌や仙台、新潟では休眠期が長くなりそうですね。

東京・大阪・福岡・広島などはほとんど同じような動きをしそうです。

那覇は休眠ラインがない、のか??
その分のびのび成長の時期が長くなりそうですが、、、

各地の皆さん、もしもじっくりとエケベリアを観察する機会がありましたら是非この分析と重ねて検証してみてください!

(ご協力よろしくお願いします。。)

以上の研究レポート、youtube動画でもお楽しみください!

part1「定点撮影で見える化! エケベリアの動き」

part2「原産地気温で考察! エケベリアの動き」

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