
こんにちは、TOMOZOOです。
またまた、エケベリアの一年間察のレポートをアップします。
前回紹介したプレリンゼは、2株のみでしたが、実はこの研究では、同時に20株の観察を行っていました!!

今回はその20株の観察記録をご紹介したいと思います。

エケベリアを育成するにあたって、「鉢」「土」と並んで頭を悩ませるのが「肥料」です。
「鉢」「土」までは、見た目でも判断ができるのですが、「肥料」って種類もたくさんあるし、なんだか敷居が高いというか、手を出しづらいですよね。
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「多肉に肥料はいらない」という話もよく耳にしますが、適切な肥料を与えればより大きく、元気に育つとしたら、ちょっと試してみたいですよね??
そこで今回は、数種類の肥料とたい肥を使ってエケベリアを育成し、成長の具合を比べてみました!
実験に使った肥料
さて、準備する肥料ですが一体どんなものが良いのでしょうか??
肥料のパッケージには様々な成分の含有率が記載されていますが、どの成分がエケベリアに効くのか、皆目見当がつきません。
最初からズッコケている感が出てしまいましたが、良いんです!分からないから実験するんです!
ということで、手当たり次第に準備をしたのは5種類の肥料です。
ここで注意ですが、今回の記事では具体的な商品名を提示して「~は効く」とか「~は効かない」とかいう話は致しません。このページで素人が取り組んでいる研究が、製品のネガティブなキャンペーンになってしまってはいけないですし、そもそも「効いた」「効かない」の基準があいまいです。野菜とかなら「おいしい」「おいしくない」とかで評価できるんですが、多肉って、どう育てたいかは人それぞれだと思うので。。
TOMOZOOは、この肥料の実験を通して、「どの肥料が良いのか」を説明するよりも「どんな成分が入っているとどう育つのか」を追求していきたいと思っています。そうやって一般化しておくと、記事を読んでくれた人が、ここで使っているものと同じ製品を入手できなくても、製品が製造中止になっても、同じ効果を得られる肥料を探せるようになるはずですから!
5種類の肥料の成分と特徴を記載しておきます。
「施用量」は、製品パッケージに掲載してある基準に従って、今回使用する2号のポットに投入するのに適当な量を算出しています。
肥料1
植物の体をつくる成分である窒素が多く含まれていて、長い肥効が期待できる肥料です。


肥料2
植物に必要な栄養分がバランスよく配合された緩効性肥料


肥料3
高い保肥力をもつ腐植酸を多く含み、長い肥効が期待できる有機質肥料


肥料4
植物に必要な栄養分がバランスよく配合された緩効性肥料


肥料5
様々な生命維持活動に必要な”リン”を豊富に含む緩効性肥料


実験に使ったたい肥
肥料と一緒に投入したのが”たい肥”です。
たい肥は、5種類の肥料と組み合わせる形で投入していきます。
と、ここで、
「肥料は栄養分を供給するために投入するとして、たい肥は何のため?」
と思われれる方もいるんじゃないでしょうか。
まずは、たい肥を投入する目的について説明が必要ですね。
たい肥の効果って?
TOMOZOOが今回の実験でたい肥を使った理由は次の通り。

ひとつひとつ詳しく見ていきますが、少し煩雑になるので飛ばして次に進んでいただいてもいいです。
たい肥は微生物が分解しやすい有機物を完全に分解した残りの部分です。
残っている物質にはほとんど栄養分はありませんが、それでも少しずつ、微生物に分解されることで植物に栄養分が供給されていきます。
たい肥に期待する効果のひとつとして、この「よわ~い肥効」が挙げられます。
刺激の小さい肥効は、エケベリア との相性が良いかもしれません。
TOMOZOOの土には、土をフカフカにする要素がほとんどありません。
そのままエケベリアを植えると、与えた水がすぐに流れ落ちてしまったり、土が硬くて根を張ることができなくなってしまうことも考えられます。
そこで今回は、たい肥を投入することで土をフカフカで柔らかい状態にして、吸水性、排水性を向上させ、根の張りをよくすることで成長を促してみようと思います。
土に供給された有機物は、完全に分解されると腐植という、暗色無定形の化合物に変わります。腐植そのものに栄養分はありませんが、土に混ぜると、外から供給された栄養分を吸着し、植物が吸収しやすいよう保持してくれます。
たい肥にはこの腐植物質が含まれており、たい肥を投入した土は、保肥力が向上します。
たい肥と肥料を併用することで、与えた栄養分を漏らさず、また穏やかに植物に供給することができます。
では次に、実験に使ったたい肥3種類をご紹介します。
たい肥1(牛糞たい肥)
牛糞、もみ殻などから作られるたい肥。豚糞や鶏糞と比べると肥料分が少なめで穏やかな肥効があります。


たい肥2(バークたい肥)
樹皮を使ってつくられるたい肥。分解が非常に遅く栄養補給には使えないため専ら土の物理性改善に用いられるたい肥です。


たい肥3(みみずのふんたい肥)
みみずを使って古い土を再生したたい肥です。あまりメジャーではありませんが、粒子が細かく、エケベリアに適しているかもしれないので、取り入れてみることにしました。


実験苗の植え付け方
実験ということで、肥料、たい肥の投入の仕方はなるべく同じようにしてみました。
鉢の中の用土・たい肥・肥料などの構成は次の図の通りです。

1,軽石
鉢底には軽石を敷いて土漏れを防ぎ、水はけ良好にします。
2,たい肥
軽石の上に引いて肥料を包むように投入します。たい肥で包むことによって肥料による刺激を緩和してやさしく養分を供給できるようにします。
3,肥料
肥料は製品説明で推奨されている分量を投入します。
4,ゼオライト
肥料やたい肥の上に一層、ゼオライトの層をつくることで、用土への養分固定(栄養分が用土に吸着されて植物が利用できない状態になってしまう)を防ぎます。
5,TOMOZOOの土
以前紹介した、いつものTOMOZOOの土です。比較的水はけがよく、細粒の資材を配合していますので、根の細いエケベリアでも育てやすいと思われます!

いざ、植え付け!!







ナンバリング
実験ですから、どの苗がどの条件か、分かるようにナンバリングをする必要があります。
少し複雑になりますが、
- まず、肥料1~5を投入した苗をそれぞれA~Eとします。
- A~Eのそれぞれに、A-○という形で使用するたい肥の番号を付加して、A-1~E-3まで15個の番号を振ります。
- たい肥のみの苗にF-1~F-3まで番号を振ります。
- さらに施肥無しの苗2株にG-1、G-2を振ります

上のように識別番号をつけた20株を観察していきます。
記録の方法と期間
前回の解説にも掲載しましたが、記録は定点撮影によって行います。

図のような器具を使って、カメラとエケベリアの位置関係を固定して撮影をしていきます。
撮影した画像をつなげて、コマ送りの映像をつくり、成長の様子を比較していきます。
観察の期間は
2020年3月~2021年3月の約1年間

